2010年07月24日(土)電気も薬品も使わない虫除けの知恵『蚊帳=かや』
いやいや暑いですね~。まさに日本全国猛暑列島です。まだ7月ですからこの暑さ、しばらくは続きそうですね。私も少しは身体を暑さに慣らそうと、夜はエアコンを止めて天然の風で就寝。しばらくすると『ぶ~んゥう~ん』と耳元に密かな唸り音が…。蚊の羽音です。この音を聞いただけで痒くなりませんか? 今日はそんな蚊や害虫を遠ざけておしゃれに安眠するための古くて新しい生活の知恵『蚊帳』の話題です。
最近の殺虫剤、よく効き過ぎて不安になりませんか?

『プチュッ!とワンプッシュで12時間蚊に刺されない空間を作ります!』とか、『網戸に貼るだけで蚊が近づかない!』など、ドラッグストアの店頭には驚くほどお手軽で小型化された殺虫剤がズラリと並んでいます。これらの殺虫剤や害虫忌避剤の主成分はピレスロイド系と呼ばれる殺虫成分で、元々は除虫菊に含まれてる天然成分です。ヨーロッパでは既に18世紀に農薬として使われていました。しかしこの天然ピレスロイドは光や酸素に対して安定性が悪く、分解されるまでの時間が短い短時間作用型の殺虫(防虫)成分。この欠点を補完すべく合成ピレスロイドが研究され、20世紀前半には実用化、現代では殆どが合成ピレスロイドに取って代わられています。蚊取線香も現代のものは合成ピレスロイドを練り込んで作られています。
ピレスロイドは昆虫、両生類、爬虫類、魚類に対しては強い神経毒性がありますが、鳥類、ほ乳類に対してはその作用が弱く、人畜に安全性の高い殺虫成分とされています。もちろん市販されている殺虫剤や忌避剤は、メーカーでも十二分に安全性が確認されているはずですし、通常の使用状態であれば特別にアレルギーを持つ人以外は安心して使える製品です。ただ 『プチュッとワンプッシュで12時間の効き目』とキャッチコピーを読むと、『そんなに効くの?人には本当に大丈夫?』と少々不安になってしまいました。
蚊取り線香は煙いし、寝ぼけ眼で蚊を捕まえるのも困難…

そんな訳で過日の私は一旦手に取った殺虫剤を棚に戻し、結局購入せずに帰宅してしまいました。子供の頃からマット式電子蚊取にアレルギーがあった私は、やむなく例年通り蚊取線香を使うことにしました。しかしやはり火が点いた状態で眠る事への不安感、そして蚊取線香はやっぱり煙い!部屋にもカーテンにも、蚊取り線香のヤニの香りが染みついてしまうのが最大の欠点です。
更にあのうるさい蚊。 うとうととすると『ブ~ン』と耳元にやってきます。暗闇の中で払っても叩いても命中することは至極まれ、苛立ちのあまり照明を点けて探しても、寝ぼけ眼で小さな蚊を見つけるのは至難の技。かといって刺されたときのあの堪らない痒みを考えたら、やっぱり放ってはおけません。そして翌日の睡眠不足…。『小さな虫一匹に振り回されて!』と思うと無性に腹が立ってきます。
古くて新しいエコ虫除け『蚊帳』が今見直されています。

子供の頃の事ですが、蚊との戦いに疲れ果て、自分がシーツと布団の間に潜って眠ってしまったことがありました。何故か今でも息苦しかった事を覚えています(笑)。これぞ『蚊帳』の原点かもしれませんね。と言うのも蚊帳の歴史を辿ると古くは奈良時代、蚊帳は当時中国の唐から日本に伝えられたようです。当時の素材は絹か木綿、今のようなレーシーでソフトなものではなかった事が覗えます。当然上流階級の人たちの贅沢品でした。庶民の間に蚊帳が普及したのは江戸時代以降のことです。元来日本の住宅にはガラスなどは無く、障子と雨戸を使い分けて開口部を仕切っていましたから、昆虫たちも出入は自由。自分自身が網の中に入ってしまうと言う蚊帳は害虫を除け、快適な空間をキープするための画期的な秘密兵器だったのでしょうね。
電気も薬品も使わないので、薬物アレルギーの心配も無し

戦前の日本では蚊帳はごく一般的な生活の道具でした。徐々に使われなくなったのは、昭和40年代に入ってからのこと。機密性の高い金属サッシュの窓が普及し、コンクリートの集合住宅が次々に建設され、クーラーや扇風機が普及、一気に生活が近代化された時代です。マット式電子蚊取や合成ピレスロイド系の強力殺虫剤が普及したのもこの時期です。畳んだり張ったりに手間が掛かり、ある程度のスペースを必要とする蚊帳は、コンパクトで近代的な団地の暮らしには邪魔だったのかもしれません。
しかしながら地球環境を考え、ナチュラルな暮らし方を見直そうと言う考え方が広く人々に指示されるようになった現代、電気も火も薬剤も使わずに害虫から身を守る蚊帳は自然に優しい方法として再び注目されるようになってきました。薄い布が一枚あることで、扇風機やエアコンの風が直接当たることも防いでくれますし、害虫とは言え、生態系の一部である蚊を殺すのではなく、除けて共存することにも意味があるのかもしれません。防犯上の心配さえなければ、窓を開けて寝ても虫に悩まされることはありません。出来れば夜くらいは自然の風の中で眠りたいですね。
寝台文化のエスプリ『天蓋』に通じる透明なファブリクスの魅力

ベッドで眠る文化を持つ欧米やアジアの地域では、天蓋と言って美しいドレープを着けたカーテンの様な布でベッドの周囲を覆う装飾がありますね。繊維を作り、布を織ることに関しての技術も飛躍的に進歩した現代、伝統的な蚊帳も作り方によってはまるで天蓋のようにおしゃれに楽しむ事も出来ます。日本でも今やベッドで眠る人の方が多いと聞いた事があります。それならば一夏の間、天蓋のごとく蚊帳を張ったままにしておくのも一案ですね。布で囲まれた小さな空間は、不思議な安らぎと安心感を与えてくれると言われています。インテリアアイテムとして一年中使っても素敵です。ただし出入りの際はくれぐれも蚊を一緒に入れないようにご注意を!
暮らしの様々なシーンに生きる『蚊帳』の知恵

蚊帳は眠るときに使うばかりではありません。アウトドアではテントの内側に蚊帳が一張あればグッと快適に過ごせます。お風呂上がりの浴衣が心地よい晩夏の夕涼みには、蚊帳に入って縁側の窓を開け、高くなった月を見ながら冷たいビールを一杯。昔は後で食事をする人の為に、用意した食膳にドーム型の小さな蚊帳を掛けていましたね。現代と違い、食品包装ラップも冷蔵庫も無かった時代の生活の知恵です。高度な科学技術を手にした人類は、邪魔なものは退治し征服する事でさらなる知識や技術、快適な環境を手にしてきました。でもちょっと立ち止まり、『除けて共存する』というのも一つの方法だなぁと改めて考え直した次第です。
猛暑や熱帯夜に悩まされる今の時期よりも、日没後の風が肌に心地よい夏の後半、エアコンを止め、蚊帳を吊って窓を開け、静かに流れる風の音に耳を傾けてみる。天蓋代わりに蚊帳を張り、殺虫剤をやめてみる。それだけでいつもの風景がちょっと違って見えて来ます。今年の夏、ちょっと試して見ませんか?
写真でご紹介した蚊帳は有限会社菊屋さんの製品です。連絡先:TEL.0538-35-1666(静岡県磐田市)
ホームページには蚊帳に関する色々な情報がありますのでこちらもご参照下さいね。
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