2011年12月26日(月)知っていそうで知らないお正月のあれこれ
本年三月の東北地方太平洋沖地震で被災されました皆様、またその後の原子力事故により影響を受けられておられる皆様に心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復旧復興をお祈り申し上げます。
クリスマスも終わり、いよいよこのコーナーも今年最後の記事となりました。今年もご愛読いただきましてありがとうございます。今回はちょっと肩のチカラを抜いて、お正月についてのつれづれを書いてみようと思います。大掃除の一服に肩のチカラを抜いてご一読くださいね。
年末からお正月にかけての時期は、私たち現代の日本人が一年で一番伝統文化を身近に感じる時かもしれません。身近に感じると言うよりも、伝統文化が日常生活に生きていると言った方が正しいのかもしれませんね。今年も既にスーパーマーケットの品揃えは年末モードに『チェンジ!』。ある日突然商品の陳列棚の中身が激変する彼らのテクニックには毎年驚かされますね(笑)。昨日まで150円程度だった蒲鉾が姿を消し、包み紙が変わっていきなり600円、1000円と言う値段になるのですから。下世話な話はこれくらいにして、そろそろ本題、お正月の話題に『チェンジ!』しましょう。
関西は丸餅、関東は切り餅?
私が子供の頃過ごした山口県。瀬戸内海に面した小さな町では、丸餅しか見たことがありませんでした。金物商を営んでいた母の実家では、お正月が近づくとお米屋さんから大きな木製の折敷が届きます。中にはまだ柔らかい丸餅がきれいに並べられていて、一日置いて硬くなると餅を別の容器に移し、折敷をお米屋さんに返すのです。複数届く折敷の一つには同様に鏡餅が入っていました。お正月を過ぎてお餅を頼んだ時もいつもこのスタイルで届きます。そして祖母は必ず『あんころ△△個ね。』と注文。まるで大福餅のように中にこし餡が入った『あんころ餅』も一緒に届くのです。確かに当時関東では丸餅は見ませんでしたね。逆にここ十年くらいでしょうか?お正月が近づくとスーパーなどで丸餅を見かけるようになりました。
餅はそもそも神様へのお供え、丸は御霊が宿るカタチ?
正月のお祝いに餅を用いるようになったのは平安時代頃と言われています。宮中では今もお正月に硬い餅を噛み、歯(齢=よわい)を固める儀式が残っているそうですが、元来は秋に収穫した穀物を歳神様にお供えするのが大儀だったようです。古来神霊や精霊のことを『たま(御霊=みたま)』と呼んでいたようですが、これが『たま=玉』となり、丸いものや一部の宝石など神様や精霊の依り代となるもの(例:勾玉)と考えるようになったとされています。多くのお供え餅が丸い由来はなんとなく納得です。時代は下って一般の人々がハレの日に餅を食べるようになってからも、餅は丸いのが当たり前だったとか。切り餅は江戸時代に人口増加に伴い餅の製造が追いつかなくなり、一つずつ丸める手間を省略して伸し餅を切って製品化することで生まれたと言うのが通説。切り餅は江戸時代に考案された合理化策の産物だったのでしょうか?と言うわけで関東地方ではこれを起源に切り餅が普及したと言うことのようですね。
お供え餅はどうして『鏡もち』?
歳神様へのお供えである餅を『鏡餅』と呼ぶのは三種の神器に由来するとか。三種の神器とは、天孫が降臨する際に天照大神から授けられたという鏡・剣・玉の三種の宝物のこと。現代でも天皇家には代々伝わる三種の神器があり、ご即位の際には継承の儀が行われています。現代では当たり前にある鏡。しかし生き物は元来自分で自分のの姿を見ることは出来ないように出来ています。古の時代、自分の姿を映すことが出来る鏡は、神器とされるほど貴重なものだったのでしょうね。丸い形を貴重な宝物である鏡に例えて『鏡餅』と呼ばれるようになったようです。
29日にはお飾りをしないって知っていました?
私は子供の頃祖母から教わりましたが、29日にはお飾りを購入したり飾ったりしてはいけないのだそうです。その理由は29日の9が苦に繋がることから、29日の松飾を『九松=苦待つ』、29日につく餅を『九餅=苦餅』と言って嫌ったとのことです。また、31日にお飾りをすることを『一日飾り』と言ってこれも嫌うとか。なのでお飾りは28日までに用意するのがベストのようですね。間に合わなければ30日がタイムリミット。う~ん、ぎりぎりまで大掃除に追い回される我が家では、一旦飾って掃除で除けてまた飾り・・・が現実。歳神様ごめんなさい!
ついでに鏡餅に飾るアイテムの由来も・・・
鏡餅を飾る際に一緒に飾るアイテムと言うと、うらじろ、ゆずりは、えび、こぶ、ダイダイ・・・。地方によってそれぞれ独自の慣習もあるようですが、一般的なのは上記でしょうか。以下にそれぞれの由来をご紹介します。
うらじろ=白髪になるまで・・・長寿を意味し、また後ろ黒くない清浄を意味しています。
ゆずりは=新しい葉が出て後に古い葉が落ちることから、家督を子孫に受け継ぎ家系が切れないことを意味します。
えび=腰が曲がるまでの長寿を意味します。
こぶ=喜ぶの語呂合わせと共に冷たい海で行き続ける生命力を表すとの説もあるようです。
だいだい=代々との頃合わせと共に、実を取らずに置くと3年は木から落ちないも言われることから代々子孫が繁栄することを意味します。
単なる語呂合わせ&縁起かつぎと言えばそれまでですが、言葉を楽しむこんな瀟洒な伝統文化を是非子供たちにも伝えてゆきたいですね。
我が家も実は・・・喪中のお正月ってどうすれば良い?
これ悩みますよね。色々調べてみたのですが、現代では一応仏式で七七ヶ日(通称四十九日)、神式では五十日祭で忌明けとするのが一般的なようです。なのでこれを過ぎていない場合は、お正月飾り、初詣などの新年祝賀に関する行事一切は避けた方が賢明。祝賀の言葉を控え、家族で新しい歳の無事と健康を静かに願うのが良いようです。神社は死を穢れとして嫌うので、お参りは遠慮するのが一般的ですが、お寺は死を穢れとは考えませんので、参詣しても大丈夫です。お寺なら初詣もOKということですね。
さて、さすがに四十九日前の方はは『そんな気分になれない・・・』かもしれませんが、年明け早々や夏前にご葬儀を済まされたようなケースではまた状況が異なります。新年を迎える頃にはだいぶお気持ちも落ち着いて、故人様が同居されていなかった場合など、ほぼ以前と変わらない日常生活に戻られていることが多いですね。神社本庁によると、『服忌』のうち『忌』は故人の祀りに専念する期間で五十日祭まで、『服』は故人への哀悼の気持ちを表す期間で一年祭までを一般的であるとしています。忌が明ければ『神事を再開しても差し支えない』とありますので、神社の参拝もOKのようです。ちなみに私は『服忌=ぶっき』の『服』と『忌』が別の意味とは知りませんでした。てっきり『忌に服す』のかと思っていました(汗)!!
次にお正月飾りや家庭内での過ごし方ですが、お正月の行事は本来歳神様を家にお迎えする行事。その目印として門松等を立てるわけですね。このことから考えると、穢れを嫌うとされる歳神様を忌み中の家ににお迎えするのは厳しいかも知れませんね。でも神棚の半紙もはずれ、神社本庁も『神事を再開しても差し支えない』としている五十日祭(仏式では四十九日)以後であれば控えめながら歳神様をお迎えしても良いような気がします。しかしながらこれ等の慣習は地域や親類縁者の『常識』に従うことが肝要。後でとやかく言われないためにも、地域や親戚縁者の年長者に尋ね、その風習に従うのが賢明かと思います。我が家は玄関飾りなし、鏡餅一箇所、『おめでとう!』はなし、おせちはあり、家族でのんびりお正月を過ごす予定です。その前にとにかく大掃除をして家の中を片付けないと・・・。
神社本庁のホームページはこちら
どうぞ皆様良いお年をお迎え下さいませ。また来年お会いしましょう!
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