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2012年01月28日(土)もっと知りたい住まいのマテリアル 「壁」その2 タイルのお話

201201-04-01.jpg一月もいよいよ月末。もうすぐ立春ですね。確かに日の出は30分ほど早くなり、夕方も5時頃ならまだ明るさが残るようになりました。しかし毎日寒い!確か昨年秋の長期予報では『今シーズンは暖冬』という話だったはずですが、どうやら外れてしまったようです。日本海側では雪が降り続けて大変な大雪になっているようです。どうぞ十分に気を付けてお過ごし下さいね。

さて、今日のこのコーナーはマテリアルシリーズの2回目です。昨年12月に壁装材を取り上げ、手始めに『シート状のマテリアル』という事で壁紙やビニールクロスなどのお話をしました。 (詳しくはこちらから) 今日は続編で『ブロック状のマテリアル』についてご紹介して参ります。

 

今日のテーマはブロック状の壁装材=タイルのお話です

201201-04-02.jpg前回壁装材(壁に使う仕上げ材)ということで4つのカテゴリーに分けてご紹介しました。
(1)塗り物 (2)板状のもの (3)ブロック状のもの (4)シート状のもの の4種類です。そして前回は現在最も汎用的に使われているであろう(4)のシート状のマテリアルについてご紹介しました。シート状というと壁紙やビニールクロスなど、みなさんお馴染みの材料ですね。
そして今日は(3)のブロック状のマテリアルについてお話します。ブロック状マテリアルと言われると『何?それ?』と思われる方も多いかも知れませんが、ブロック状、ピース状のマテリアルというと、一般的にはタイル系(窯業系)の材料と言うことになります。もちろんデザインや素材にこだわって木質のピースを使ったり、樹脂製のマテリアルを使ったりと言うケースはありますが、あまり一般的ではありません。そこで今回はタイルに絞ってお話をしたいと思います。

 

 タイルと一口に言ってもびっくりするくらいたくさんの種類があります

201201-04-03.jpgタイルと言うと一般的には窯業系(土や粘土などを原料とし、高温で焼成したもの)をイメージしますが、最近はガラスを原料としたガラスタイルや樹脂を原料とした樹脂タイルもあります。もちろん圧倒的多数は窯業系タイルですので、先ずそのお話から始めましょう。

 

窯業系タイルはその材質により4種類に分類されます。

201201-04-04.jpg(イ)陶器質タイル 陶土や石灰などを原料とし、多孔質の素材で吸水率が大きく、叩くと鈍い濁った音がします。
(ロ)磁気質タイル 石英や長石などを原料とし、僅かですが素地には透明性があり緻密で固く、叩くと高い音がします。吸水率が殆ど無く耐凍害性、耐摩耗性に優れています。(食器で言うとボーンチャイナと同種の素材です)
(ハ)せっき質タイル 粘土や長石などを原料とし、素材は固く吸水率も少ない。
(ニ)その他のタイル セラミックで出来たセラミックタイルや土を原料とするテラコッタタイル(土器質タイルとして分類することもあります)などです。

更に釉薬の(うわぐすり)の有無でも施釉タイルと無釉タイルに分類されます。

201201-04-05.jpg施釉タイル 釉薬の種類により、透明なガラス質の透明釉、ツヤが美しい光沢釉、有色の素地の色を白くカバーする乳濁釉、ツヤ無しタイプに仕上がるマット釉など、色々な種類があります。
無釉タイル 釉薬を使わず素焼きにしたタイルです。れんがタイルなどがこれにあたります。

 

タイルはそれぞれ材質や仕上げ方によって特徴があり、適した用途もあるのですが…

201201-04-06.jpgタイルは何でもタイルかと思っていたら、いきなりこんなに種類があって頭が痛くなりますね。確かに本来はこの材質や特徴を良く考えて用途や施工する場所に応じて材料を選択しなければなりません。しかしPL法が施行されて以降、この選択作業がとても容易になりました。PL法により、メーカーさんは消費者にその製品の危険性について解りやすく伝える必要が出てきたんですね。ですから現在は国産タイルのカタログを見ると、先ず屋外用と屋内用の分類、続いて床用と壁用の分類、更に水回り用寒冷地用…と用途や施工場所についてしっかりと分類または指示がなされています。逆にこのメーカーさんの分類を守らずに、例えば屋内用のタイルを屋外に使ったり、壁用のタイルを床に使ったりした場合は、事故や何か問題が起きても自己責任ということになります。ですからタイルを選ぶときは、その材料がどこに使える材料か、カタログなどで良く確認し、その指示に従うことが大切です。そうすれば材質による施工場所の適否などで頭を悩ませる必要はありません。『タイルの材料選びは楽になったなぁ』というのが長年この業界に居る私の実感です(笑)。

 

タイル選びの際、釉薬の有無はちょっと気に掛けてくださいね

201201-04-07.jpgタイルを選ぶ際、メーカーさんの推奨する施工場所を守っていれば、材質(陶器質、磁器質など)による特製を考慮する必要は殆どないでしょう。しかし釉薬の有無や釉薬の種類に関しては、覚えておきたいポイントがあります。その特製について少しご説明しておきましょう。

窯業製品において、釉薬を掛けると言うことは、簡単に言うと土や粘土、石などで出来た生地の上にガラスの層を作ると言うことになります。即ち釉薬とはガラス系の素材を細かい粉末にし、顔料や発色材料などを混ぜて水で溶いたもと考えてください。釉薬を掛けずに焼成すると、基本的に素焼きの植木鉢の様な仕上がりになります。多孔質でザラついた手触りであり、陶器質や土器質のタイルであれば透水性、含水性もあります。しかしこれに釉薬を掛けて焼成すると表面にガラス層が出来ますから、手触りはグッと滑らかになり、ツヤも出て、ガラス層の上からは透水性がなくなります。

201201-04-09.jpg例えば水回りやキッチン前の壁にタイルを使う際、この表面の特製はその後のメンテナンスの手間にに大きく関わってきます。素焼きの素朴なイメージのタイルをキッチン前に使ったとします。調理の際のケチャップなどが付いてしまうと、表面が多孔質ですから落としにくく、また落とせてもシミが残ってしまったりし易いですね。また通常のお掃除をする際も、表面がザラザラしていると雑巾で拭くのは案外厄介なもの。水で流せる場所なら良いのですが、キッチン前などに使うと後で後悔することになります。

201201-04-10.jpg施釉タイルのツヤが嫌だなぁと言う時は、マット釉のタイルがお勧めです。これは簡単に言うとオーブンOKのグラタン皿の様な仕上がり。表面が平滑(ツヤ仕上げ)にならないように作られた釉薬が掛けてあるタイルです。従って表面はツルツルではありませんので吸盤はくっつきませんが、ガラス質で出来ているので雑巾で拭き掃除するのに不自由はありません。ケチャップが飛んでしまってもタイルの生地の中に入り込んでしまう心配もナシ。鈍いツヤが少しありますが、落ち着いた柔らかい印象の仕上がりになります。我が家もキッチン前はマット釉のタイルです。ただ、吸盤が一切くっつかないので少々歯がゆい思いをしています。タイルを選ぶ際、さすがにこそまでは考えませんでした(>_<)。タイルの施釉/無釉はカタログに必ず記載がありますので、チェックしてみてくださいね。

タイルはサイズのお話や、施工方法のお話など、まだまだお伝えしたいことがたくさんあります。また機会を改めてご紹介して参りますので、是非ご参考になさってくださいね。『住まいのマテリアル』シリーズは毎月1回お届けの予定です。お楽しみに!

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